個人サイト Otearai Web 作者 nagura

 1974年京都府生まれ

平日はサラリーマンまがいの勤務をこなすかたわら、自サイトその他で腑抜けた駄文を連ねています。現在吸っているタバコはマイルドセブン(理由は安いから)。酒を飲むと気が大きくなってマルボロを買ってしまい、翌朝後悔することが多い。

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私事で恐縮なのだが、ここ数日、こんなにつらい症状は何年ぶりだろうという位のひどい風邪(インフルエンザだったかもしれない)でずっと臥せっていた。

当初は喉のあたりがムズムズする程度だったのが急激に悪化して、あれよあれよという間に39度7分まで体温上昇。その後も4日間にわたって39度5分前後の熱が続き、その間ずっと体中の節々がズキズキと痛む、喉と肺がやられて呼吸するのも苦しい、おまけに強烈な悪寒と頭痛が断続的に襲ってくる、というトリプル攻勢になす術なく、汗でじっとり湿ったベッドの中でただただ歯を食いしばるしかなかった。

こういうとき、一人暮らしの身というのはなんとなく心細いものである。食料も飲料水も次第に底を尽いてくるし(水道があるから何とかはなるのだが)、冷たい果物を口にしたいと思ってもそんなもの端から家に置いてないし、残ってるのはレトルトカレーだとかコンビーフだとか想像しただけで吐きそうな代物ばかりになってくるしで、このまま悪化し続けたらどうなるんだろうと一抹の不安が次第に頭をよぎり始める。

というか、実際どうにもこうにもならなくなり、近くに住む知人に恥を忍んで買い物をお願いしてみることにしたのだが、すっかり力が弱っているものだから携帯電話が重くて重くて、数行のメールを打つだけでハァハァと息があがってしまう体たらく。それでもなんとかメール送信に成功し、果物とスポーツ飲料、そして大量のウィダーインゼリーを買ってきてもらえたものの(持つべきものは友である!)、今度はウィダーインゼリーのキャップが固くて固くて、いくらがんばっても開かない。結局、カッターナイフやらペンチやらを動員して数分がかりで開封した挙句、「どこが10秒チャージだよ…」という理不尽な怒りとともに疲労困憊して、そのままベッドに崩れ落ちてしまったり。

あと、常に大量の汗をかくものだから、寝間着を一日に何回も着替えることになる。しかしながら洗濯機を回すような気力は微塵もないから、当然のことながら着るものがどんどんなくなってくる。その結果、普段パジャマにしているTシャツなどはアッという間に使い果たし、トレーナーの二枚重ねやフリースONフリースといった奇妙な取り合わせが出現し始め、しまいには登山用ウェアや雨合羽を引っぱり出してのフル着用といった大層本格的なことになってしまったり(ちなみに登山用ウェアは汗をかいても冷えないので風邪にピッタリだった。持つべきものは登山ウェアである!)。

…とまァ、そんなこんなで結構大変だったのだが、しかし気がつけば、たばこを一本も吸わないまま丸4日が経ってしまっていた。ひき始めた当初からたばこがものすごく不味く感じられて、とてもじゃないが喫煙する気になれなかったのだが、それがそのまま、まるで「吸うのを忘れていた」かのような感覚のまま時が経過していたのだ。

昨今、医療の世界では「喫煙は病気」だと見なされているらしい。喫煙者が禁煙外来の門を叩けば、ニコチン依存症の診断名のもと、ニコチンガムやらニコチンパッチやらが保険診療内で処方される。しかし、風邪をひいただけで何日間も吸うのを忘れてしまうのだ。こんな依存症がほかにあるだろうか。覚醒剤依存の人が風邪をひいて、「しまった! シャブ打つのすっかり忘れてたよ!」なんてことになるものだろうか。

ついでに言えば、覚醒剤依存にせよアルコール依存にせよ、依存対象である薬物をそのまま投与するなんていう治療は原則行われない(たとえばアルコール依存なら、代替薬物としてジアゼパムなどが投与されるのが常である)。ニコチンガムやらニコチンパッチやらが当たり前のように治療薬として幅を利かせているのは、よく考えればちょっとおかしな話ではあるまいか。

現在のところ、保険診療で認可されているのは禁煙外来のみのようだが、「病気」なんだったら保険診療で禁煙入院も導入すればいいのだ。

「パパってどうして急に入院しちゃったの?」
「パパはね、たばこ吸ってたから入院することになったのよ」
「いつ戻ってくるの?」
「当分は出てこれないだろうって」

入院といっても、単にたばこを吸わないで過ごすだけの話である。これでパパものんびりできるし、ママも存分に羽を伸ばせるし、病院も儲かるしで、各方面いい話じゃありませんか。ただし、その治療費の多くは我々の税金で賄われるわけですけれどもね。