個人サイト Otearai Web 作者 nagura

 1974年京都府生まれ

平日はサラリーマンまがいの勤務をこなすかたわら、自サイトその他で腑抜けた駄文を連ねています。現在吸っているタバコはマイルドセブン(理由は安いから)。酒を飲むと気が大きくなってマルボロを買ってしまい、翌朝後悔することが多い。

http://www5.ocn.ne.jp/~otearai/
 


以前からちょっと気になる店があった。

それは京都:四条寺町にある「京みやげ・錦玉堂」。京みやげと銘打っているのにタバコしか売っていないし、タバコに関しては品揃えが恐ろしく充実しているのだ。

おまけに店の奥には、タバコを吸うためだけの専用スペースらしき場所まである。うぬ、お主、ただの京みやげ屋ではないな!?

そこで今回は、錦玉堂に直撃取材していみることにいたしました。なぜか悪徳お代官気分で。



「堂玉錦」ではなく「錦玉堂」です。
「錦玉堂」は「きんたまどう」ではなく「きんぎょくどう」です。
京みやげ

 

 

◆取材を申し込んだら露骨に警戒され

…とはいえ、いきなり店内を撮影しまくったり、質問攻めにしたりするのは失礼である。

そこでウェブサイトの取材をさせてほしい旨を申し出たところ、こちらの説明不足がたたったのか、それともぼくの容姿が胡散臭かったからか、露骨に警戒されてしまったのでした。

「掲載料を支払わなきゃならないってこと!?」
「何も請求しないって?」
「だったら、一体どこからお金出てるワケ?」

あうあう、違うんですってば!! 小生なんの下心もなく、ただ店を紹介したいだけなんです!!



店内の光景。 右側のマダムが店主の加代子さん。

 

◆いったん帰宅して出直し

しかし、ぼくの生来の胡散臭さが災いしてか、いまひとつ信じてもらえないまま時が流れて。

けっきょく「実物を見てから判断する」という話になったのでした。

というわけで、いったん家に帰って、ノートパソコンに Go smoking のサイトページをダウンロードして。


再びお邪魔してサイトを提示したところ、すぐに納得してもらえた。百聞は一見にしかず。ちょっと悔しい。



こんなプレゼンにも役立つとは。ノートパソコン。

 

◆ようやく取材スタート/嫌煙運動への思い

取材OKとなると、店主の加代子さんが店内を案内しながら、熱い思いを色々と語ってくださった。

「JRが新幹線を全面禁煙にしていくって話、ひどいわよね。国鉄時代からさんざんタバコ税を使っておきながら、恩を仇で返すような真似をして…」

「警告表示だってそう。毎日お客さんにタバコ買ってもらって、ありがとうございますって言ってるのよ。その商品に『癌になります』なんて書いてあったら、私たち、お客さんに一体どんな顔したらいいわけ!?」

「さんざんタバコから税金だけ奪っておきながら、一方で弾圧するなんて、政府も矛盾だらけよ。だったらいっそ、タバコ全部禁止にすりゃいいのよ」

「タバコ屋の利益は売価の1割だけなの。だから薄利多売するしかないんだけど、なのに税金ばかり上げて弾圧する。政府の税金取立て代行業やってる気分よ…」

こういった不条理は、きっと多くのタバコ屋さんが抱いていて、でも誰にも言えなくて、ただただ耐えておられるのだろう。ちょっとシュンとしてしまう。



店頭に張り出されている新聞社説。



ずらりと並んだ、色とりどりのパイプ用タバコ。



キセルも風流ですな。

 

◆バイトの学生さんも一服つけながら

ふと見ると、バイトの学生さんが仕事中に一服つけておられた。どこの職場も禁煙ばかりの昨今、ちょっと心が和む光景である。

せっかくなので嫌煙運動への意見を聞いてみた。

「うーん、そうですねえ。なんていうか…迷惑かな。駅のホームとかに灰皿ないと不便だし」

学生さんらしい率直な意見であります。

ちなみにこの店のバイトは、京都の芸術系大学の学生さんで回しているそうです。時給は800円でスタートとのこと(余計なことばかり聞いてすみません)。



えー、撮るんですかァー!?」
「小さくしか載せませんから!!」
「まぁ、それなら……」
「タバコ、もっと美味しそうに吸ってください!」

◆ヒュ、ヒュミドールて何や??

店主の加代子さんが次に案内してくれたのが「ヒュミドール」であります。え? なんすかそれ!?

入ってみると、そこにはところ狭しと葉巻が並べられていた。一本300円くらいのモノから、何千円とする高級品まで、棚一杯にずらりぎっしり。

「カルアにコイーバ、たいていの物は揃ってるわよ。葉巻は繊細だから、気温と湿度を一定に保ってるの」

葉巻の貯蔵庫のことをヒュミドールと呼ぶらしい。それにしても、街角のタバコ屋さんにこんな設備があるとは…。恐るべし。



香水をつけてる人は立ち入り禁止



「ちょっと触ってみて。これくらいがちょうどいいの」「確かにちょうどいいですねー」(←知ったかぶり)



気温25度、湿度65%をキープ。人間にも快適な温度である。

 

◆こんな所にシガーサロンが!!

さらに驚いたのが、店の奥にシガーサロンが設けられていたこと。

シガーサロンなんて、ぼくらのような庶民にはテンで縁のない世界。いったいどこに存在するのかも分からない世界だと思っていたのが、まさかこんなところにあったとは!!

葉巻やパイプを吸う人がたまに訪れ、コーヒーやウイスキーなどを嗜んでいかれるそうです。ドリンクは、何を飲んでもワンショット500円。

サロンといっても気負う必要はなく、Tシャツに短パンでもOKらしいです。


「でも勘違いして、お酒ばかり飲んで騒ぐ人とかには出てってもらってるんやけどね。あくまでタバコを楽しむためのスペースだから」

探せばこういう場所もまだ残っていたのだ。



落ち着いてムードあるサロン

 

◆シガーサロンを始めたきっかけ

加代子さんはさらに続けて説明してくださった。

「ウチの店、最初はみやげ屋だったの。タバコは片隅で売ってるだけで」

「だけど主人が大のタバコ好きで、本格的にタバコを始めるようになって。で、どうせならお客さんがゆっくりタバコを楽しめるスペースを作ろうってことになって、みやげコーナーを改築してサロンにしたの」

「主人は数年前に他界したんだけどね…」

なお、大のタバコ好きだったご主人だが、自身ではタバコをまったく吸わず、知識を追求するのが大好きだったとのこと。ううむ、すごい。



西洋と京都の融合

切子細工のグラス



さながらシガーラウンジの趣き(テーブルの上にスーパーの袋が置いてあったけれど、トリミングで消しました)

 

◆サロンにてシガーを吸ってみた

せっかくなのでサロンでコーヒーを飲みながら、葉巻をくゆらせてみることにした。

本物の葉巻はたいへんそうなので、サイズも値段も控えめなシガリロを購入。5本入り400円なり。

そしてエスプレッソを片手に、シガリロをゆっくり嗜んでみる。うーん、正にゆとりある暮らし。「苦しゅうない」「近う寄れ」っちゅう感じやね。ぷっかー。

…と、エラソーなひとときを満喫させてもらいました。今年になるまでシガリロをシガリ口(しがりぐち)だと思っていたことなど、おくびにも出さず。



エスプレッソを注文。



シガリロなのにライターは1mg煙草のもらい物。



シガリロ吸う小生。いまひとつ似合ってません。



店内には桂南光さんのサインも。



サービスでメロンをくださいました。やった!!

 

◆加代子さん、Go Smoking!!

…というわけで、店内を取材させていただき、インタビューにも応じていただき、シガーサロンを利用させていただき、メロンまでいただき。

ぼくのほうからは何のお礼も出来ないけれど、Go Smokingのステッカーを進呈させてもらいました。ステッカーを持ってポーズしてくださった加代子さん。「斜め持ち」がカッコイイですネ!!

こういう店が末永く続いてくれることを祈りつつ、今回はこの辺にて失礼します。



改めて、店主の加代子さんでした。

 

取材協力:「錦玉堂」京都市中京区寺町通四条上る中之町545